コラム

GA4の「参照元/メディア」をどう読む? セッション基準とユーザー初回基準の違い |  参照元入門(5)

作成者: 内海賢一|2025/09/19 6:46:02

 

要点3行でサクッと

 

  • GA4は「参照元/メディア」を セッション基準ユーザー初回基準 の2軸でレポートする。

  • 数字が違うのはエラーではなく、基準が違うから。

  • UTMを正しく設計すれば、デフォルトチャネルグループで整然と分析できる。

 

 

 

 

1. GA4の2つの基準軸

 

 

GA4はイベントベースの計測なので、同じ「参照元/メディア」でも切り口が複数あります。

理解の入口は セッション基準ユーザー基準(初回) の2つです。

 

  • セッション基準(session source/medium)

     その訪問(セッション)がどこから来たかを表す。

     → 短期的なキャンペーン効果や直近の流入把握に便利。

  • ユーザー初回基準(first user source/medium)

     ユーザーが最初にサイトへ来たときのチャネル。

     → 新規獲得経路を把握するのに有効。

 

 

(ポイント!)この2軸を押さえていないと「トラフィック獲得」と「ユーザー獲得」の数字が違う理由が理解できず、混乱しがちです。

 

 

 

2. 標準レポートでの見え方

 

 

GA4の標準レポートで確認できるのは次の2種類です。

 

  • トラフィック獲得レポート

     ディメンション:セッションの参照元/メディア

     → 各訪問が直近どこから来たかを見る

  • ユーザー獲得レポート

     ディメンション:ユーザーの初回参照元/メディア

     → 新規ユーザーがどこから流入したかを見る

 

 

(ポイント!) 両者は基準が違うので数字が一致しませんが、どちらも正しい値です。

 

 

 

3. デフォルトチャネルグループとの関係

 

 

ここで前回までのUTM設計が効いてきます。

 

  • utm_medium を GA4既定の用語(email / social / paidsocial / cpc / display …)に揃えておくと、Unassignedに落ちず正しくチャネル分類される

  • QRやPDFなど既定にない流入は、カスタムチャネルグループを作って整理できる。

  • UTMを正しく設計することで、セッション基準でもユーザー初回基準でも、見やすく比較できる状態になる。

 

(ポイント)おすすめは「カスタムチャネルグループで全体の傾向を見て、参照元/メディアでさらに深掘りする」流れです。

 

 

4. 目的に応じた使い分け

 

 

  • 直近の施策の効果を知りたい → セッション基準

  • 新規ユーザーをどこから獲得したか知りたい → ユーザー初回基準

  • 既存ユーザーのリピート経路を知りたい → 探索レポートやLooker Studioで既存ユーザーフィルタをかける

 

(ポイント)探索レポートでは「セッション参照元 × 既存ユーザーセグメント」のクロス集計でリピート経路を可視化できます。

 

 

5. まとめ

 

 

  • GA4の「参照元/メディア」は一枚岩ではなく、セッション基準とユーザー初回基準の2軸で理解する。

  • 数字が合わないのはエラーではなく基準が違うだけ。

  • UTMを整備しておけば、チャネルごとに正しく分類され、2軸の比較が可能になる

  • 目的に応じて、どの基準で見るかを意識するのが分析の第一歩。

 

「トラフィック獲得とユーザー獲得、どちらを見ればいいのか…」

そんな疑問はよくあります。参照元設計とチャネル設計を整理したい方は、ぜひご相談ください。