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1分で判定―UTMが必要な流入・不要な流入 | 参照元入門(1)

1. 1分判定ルール(YES/NOで決める)

Q1. 出発点は“通常のブラウザWebページ”ですか?

  • YES原則UTM不要

    • ただし、広告・PR/短縮URL/多段リダイレクト/厳しめのReferrer-Policyに該当するなら UTM付与(例外)。

  • NO(アプリ/メール/QR/PDF/社内ツールなど)UTM必須

    UTM付加判定フロー

2. ケース別の早見表(現場で迷わない版)

出発点 UTM要否 理由 推奨source / medium例
検索結果(自然) 不要 リファラで判定 google / organic(自動)
他社サイト記事 不要 リファラで判定 example.com / referral(自動)
広告・PR記事(タイアップ) 推奨 自然流入と混在しやすい media-name / referral+campaign名
短縮URLを使う 推奨 リダイレクトで参照元が欠落しやすい 任意のsource/medium
多段リダイレクト(計測リンク等) 推奨 途中で参照元が落ちやすい 同上
https→httpに遷移 推奨 リファラが送られない可能性 同上
Referrer-Policyが厳しい 推奨 参照元が縮退 同上
メール(メルマガ/MA) 必須 多くのメーラーでリファラ無し newsletter / email
LINE/Instagram DM/各種アプリ 必須 アプリ内ブラウザで参照元欠落 line / socialinstagram / social
SNS広告 必須 有料と自然を分けたい instagram / paidsocial
QR/紙媒体 必須 出発点情報が存在しない store_pop / qr
PDF/PowerPoint 必須 アプリ経由で参照元欠落 pdf_brochure / referral
社内SaaS/Slack/Teams 必須 WebView・イントラで不明化 slack / social など

備考utm_mediumemail / social / paidsocial / cpc / display / qr など“よくある値”に寄せると、GA4のデフォルト チャネル グループで分類が安定します。命名規則は次回(第2話)で詳しく扱います。

 

3. 逆に「UTMを付けない」ほうがよい場面

  • サイト内リンク:セッション分断の原因になります。

  • Google広告:基本は**自動タグ(gclid)**を使用(UTMの二重付与は非推奨)。

  • アフィリエイト等で媒介側パラメータが必須:上書きや競合に注意。全体設計が必要です。


4. まずの運用チェックリスト(配布OK)

対象施策(メール/アプリ/QR/PDF/SNS広告)にはUTM必須


utm_medium は社内定義(email / social / paidsocial / cpc / display / qr …)に統一


短縮URLはUTM付与後に作成


公開前に自分でクリック → GA4リアルタイムsource/medium を確認


内部リンクには付けない(セッション分断防止)

5. よくある質問(Quick Q&A)

Q. LINEは毎回ダイレクトになります。

A. 仕様上、参照元が渡らないことが多いです。必ずUTMを付け、短縮URLを使う場合も付与→短縮→テストの順で。

Q. Instagramの流入が l.facebook.com / referral になる。

A. 中継ドメインの影響です。UTMを付与し、utm_medium=paidsocial(広告)/social(自然)を分けましょう。

Q. タイアップ記事は自然流入と混ざる?

A. 混ざります。広告・PR・外部掲載UTMで明示して評価可能に。

 


6. まとめ

  • ブラウザ=原則不要/それ以外=必須が1分判定の基本。

  • ただし例外(広告・短縮URL・多段リダイレクト・Referrer-Policy・クロスドメイン)ではブラウザでもUTM推奨

  • チームでは命名規則の統一リアルタイムでの事前テストを徹底しましょう。


次回予告(第2話)

「UTMの付け方・命名規則・NG例」
— medium値の標準化、campaign命名、contentの使い分け、内部リンクNGの図解、スプレッドシートUTMビルダー付き。