コラム

UTM運用の定着と管理 - 「付ける」から「回す」へ |  参照元入門(4)

作成者: 内海賢一|2025/09/11 9:22:06

 

  • UTMは付けることよりも運用体制を作ることが大切

  • 辞書化・スプレッドシート管理・テストの仕組み化でブレを防ぐ。

  • ダイレクトが減らない時はチェックリストで原因特定

 

 

 

 

1. UTMは「付け方」より「運用力」

 

 

第1〜3話で「付け方」は整理しました。

しかし実務では「人によってバラバラ」「代理店ごとにmediumの使い方が違う」など、統一できない問題のほうが深刻です。

だからこそ、運用の仕組み化=一覧化・管理体制づくりが必要です。

UTMの設定は、結構自由にできてしまうからこそ、せめて自社内だけでもルールを設けて後から困らないようにしておきましょう。

 

 

1分で判定―UTMが必要な流入・不要な流入 | 参照元入門(1)

UTMの付け方・命名規則・NG例 | 参照元入門(2)

ケース別UTM実装―メール/LINE・SNS/QR/PDF/社内ツール | 参照元入門(3)

 

 

 

2. 一覧化でブレをなくす

 

 

  • source:媒体名を公式綴りで固定(例:google, line, instagram)

  • medium:GA4既定チャネルに寄せる(email, social, paidsocial, cpc, display …)

  • campaignyyyyMM_{project} フォーマットに統一

  • content:バナーやクリエイティブ差分

 

 

チームや代理店と共有する「命名一覧」をまず作りましょう。まじは代理店に作ってもらっても良いかもしれません。

 

 

 

3. スプレッドシートでの運用例

 

 

  • プルダウン形式で選択できるようにすれば、誤字脱字を防げます。

  • バリデーション式を設定(例:小文字のみ/mediumは定型語のみ許容)。

  • 出来上がったURLを 自動生成欄に吐き出す。

 

 

例:

 

 

4. テストの「儀式化」

 

 

運用の山場は「配信前の確認」です。

 

  • クリックしてGA4のリアルタイムでsource/mediumを確認

  • 短縮URLを使う場合は必ず短縮後のリンクで再テスト

  • アプリ内ブラウザやiOS/Android実機でも確認

 

 

チーム内で「公開前チェックリスト」を定め、必ず記録を残すようにするとミスが減ります。

 

 

 

5. ダイレクトが減らない時のチェックリスト

 

 

「UTM付けたのにダイレクトばかり…」そんな時は以下をチェックしましょう。

 

  1. ✅ UTMが正しく付与されているか

    → 短縮URLや多段リダイレクトで消えていない?

  2. ✅ アプリ内ブラウザ・HTTPS→HTTPの影響

    → リファラが落ちやすい環境ではカスタムチャネルで補正が必要。 

 

補足:Unassignedに落ちやすいケース


  • utm_medium に独自語(例:line, facebookad, newsletter_2025)を入れてしまう

  • GA4の既定チャネルリストに一致しない → Unassigned扱い

     運用上は medium=social / paidsocial / email / display … など既定語に揃えることが重要です。

 

 

 

 

 

6. まとめ

 

 

  • UTMは「付け方」だけでなく「回す仕組み」が肝心。

  • 辞書化・スプレシ管理・公開前テストを組織の儀式にする。

  • ダイレクトが減らないときは3つのチェックリストで原因を切り分け。

 

 

 

 

「UTMルールが社内・代理店でバラバラ…」というお悩みは多いです。

属人的なUTM運用を抜け出して、仕組みとして回せる体制づくりに困ったら、ぜひご相談ください。