コラム

参照元って何?GA4でよく見る「ダイレクト」の正体をやさしく解説 | 参照元入門(0)

作成者: 内海賢一|2025/08/04 6:05:59

はじめに

GA4のレポートに表示される参照元(source)は、「ユーザーがどこから来たか」を示す情報です。検索エンジンや他サイトから訪問があった場合、出発点の情報(リファラ/referrer)がブラウザから渡され、GA4はそれを基に「google / organic」「example.com / referral」といった参照元/メディア(source/medium)を判定します。
一方で、出発点の情報がない、または読み取れない
とき、GA4はそのセッションを「(direct)/ (none)」=ダイレクトとして扱います。

本コラムはGA4の基礎概念をやさしく解説するシリーズです。今回は「参照元」と「ダイレクト」の正体を整理し、次回以降で実装のコツ(UTMの付け方等)に進みます。

1. 参照元(リファラ)とは?

ユーザーがAサイトからBサイトへ移動する際、AサイトのURL情報の一部(リファラ)がBサイトに渡されることがあります。
GA4はこのリファラと、URL末尾の情報(UTMパラメータ)などを手掛かりに、参照元/メディア(source/medium)を決定します。

  • 例:検索結果から来た → source = googlemedium = organic

  • 例:他サイトの記事内リンクから来た → source = example.commedium = referral

ポイント:訪問ユーザーのブラウザからリファラが渡らない、または途中で失われると、参照元は不明になりやすい。

2. 「ダイレクト」とは?

GA4のダイレクト((direct)/ (none))は、参照元が判別できない状態の“受け皿”です。
一般的にイメージされる「ブックマークやURL直打ち」だけでなく、メールやアプリ、QR、PDF、短縮URLなどでもリファラが欠けやすく、実態が“ダイレクトに混ざる”ことはよくあります。

「ダイレクトが多い=ブックマークが多い」とは言い切れません
また、「メルマガを出しているのに流入が見えない」場合も、参照元がダイレクトへ混在している可能性があります。

3. ダイレクトが増えやすい代表的なケース

  • メール/メッセンジャー/SNSアプリ:アプリ内ブラウザはリファラを渡さない縮約することが多い

  • QR/紙媒体/オフライン:出発点のURL情報がそもそも存在しない

  • 短縮URL/多段リダイレクト:リダイレクトの途中で参照元が失われる場合がある

  • 厳しめの Referrer-Policy/HTTPS→HTTPへの遷移参照元が縮退・欠落しやすい

4. ダイレクトを減らす最初の一手:UTMを“目印”にする

リファラが期待できない経路では、URLにUTMパラメータ(参照元・メディア等)を付けるのが基本対処です。
値は小文字表記の統一を推奨します(順不同)。

  • utm_source(媒体名):例 newsletter, line, instagram

  • utm_medium(チャネル種別):例 email, social, paidsocial, qr

  • utm_campaign(施策名):例 summer_sale_2025

  • (必要に応じて)utm_content(クリエイティブ差分):例 banner_a, textlink_footer


https://example.com/lp?utm_source=newsletter&utm_medium=email&utm_campaign=summer_2025

 

この設定で、GA4では参照元=newsletterメディア=emailキャンペーン=summer_2025として認識されます。

 

注意
サイト内リンクにUTMは付けない(セッション分断の原因)
短縮URLはUTM付与後に作る(作成後に必ずテスト)
・公開前にGA4のリアルタイムsource/medium の表示確認を

 

5. まず覚える「1分判定」

  • 出発点が通常のブラウザWebページ原則UTM不要(ただし広告・PR・短縮URLは付与推奨)

  • それ以外(アプリ/メール/QR/PDF/社内ツール 等)UTM必須(付けないとダイレクトに混在しやすい)

この「1分判定」をベースに、必要な場面にだけUTMを追加すると、現場運用がぐっと楽になります。

6. 用語ミニ辞典

  • 参照元/メディア(source/medium):どこから/どうやって来たか

  • チャネル(デフォルトチャネルグループ)emailorganic socialなど、medium等からGA4が自動分類する見え方

  • ダイレクト:参照元がわからないときの分類(直打ちに限らない)

  • UTM:URLに付ける“目印”。リファラがない経路でも参照元を明示できる

7. まとめ

  • 参照元は「出発点の情報」。取得できればGA4が判定し、取得できなければダイレクトになる。

  • メール/アプリ/QR/PDFはリファラが落ちやすくダイレクト肥大の主因になりがち

  • UTMで“目印”を付ければ、ダイレクトを減らし、施策効果が見える