AIアクセス分析とは

AIアクセス分析とは、AIがサイトを取得し、読み取る動きから、その背後にいる人の意図と需要を分析することである。GAが人の行動から人を直接分析するのに対し、AIアクセス分析はAIのアクセスを介して人を分析する。

「AIアクセス解析」という言葉は、GAのデータをAIで分析すること、あるいはAIの回答を経由してサイトに来た人の流入を計測すること、の意味で使われている。どちらも見ているのは、サイトに来た人の行動である。AIアクセス分析が見るのはAI自身のアクセスであり、人がサイトに来なくても成立する。

GAとAIアクセス分析

GAもAIアクセス分析も、分析の対象は人である。違うのは、人をどの経路で見るかだけだ。

GAは、人がブラウザでサイトに来てからの行動を記録する。AIの回答を読んだ人が、引用されたURLをクリックして来れば、それもGAの記録に入る。ただしその時点で、AIは流入元の一つにすぎない。しかもAI経由と判別できるのは、リファラーが残った訪問に限られる。多くはダイレクトや検索に紛れる。人が自分で操作した瞬間から、それは人の行動であり、GAの領分である。

AIアクセス分析が扱うのは、その手前にあるAIの動きである。人がAIに頼み、AIがサイトを取りに来る。この取得は、人がサイトに来なくても発生する。AIの回答の中で用が済めば、人は来ない。GAにはその人の痕跡が残らないが、AIが取りに来た事実はサイトに残る。AIの回答で完結する利用が増えるほど、人の需要はGAから消え、AIのアクセスとしてだけ現れるようになる。

人を読めるAIの動き、読めない動き

AIのアクセスのすべてから人が読めるわけではない。AIがサイトを取りに来る動きは、人の意思の入り方で3つに分かれる。

学習・クロール:AIが自分のために集める取得。背後に人の意思はない。AIの動きではあるが、そこから読める人はいない。

先回り:AIが、人がこのページを必要とすると見込んで取りに来る取得。個々の人の指示ではないが、AIが見込んだ人の需要が表れている。

指示:人がAIに頼んだ内容のとおりに取りに来る取得。人の意図がそのまま表れている。

したがって、AIアクセス分析の第一歩は、AIのアクセスを人の意思があるかどうかで分けることである。分けずに数えれば、それはボットの総数であって、人の分析にはならない。

サイトから見えるのは③と④だけ

AIを使った人の行動は、次の5段で進む。

① 人がAIに質問する
② AIが、どこを取りに行くかを決める
③ AIがサイトに来る
④ AIがページを読み取る
⑤ AIが人に回答を返す

このうちサイト側に記録が残るのは、③来訪と④読み取りだけである。
①何を聞かれたか、②なぜそこを選んだか、⑤何と答えたかは、AIベンダーか質問者の手元にしかない。

AIアクセス分析は、③④の記録から①の人を読む。何を聞かれたかは分からない。しかし、どのページが、どの組み合わせで、どの種類のAIの動きで取られたかは分かる。そこから、背後にどんな需要があったかを読む。

実際に発生したAIの動きから、人の意図を読むのだ。

実例:某観光サイト

自治体系の大規模観光サイトで、AIアクセスを分析した。

指示による取得は、個別のスポットやモデルプランのページを一枚ずつ、点で取っていた。人がすでにページを知っていて、読む作業だけをAIに任せている動きである。先回りによる取得は、トップや一覧、テーマ別のページを面で取っていた。AIが、旅行を考えている人の需要を見込んで、候補を広く集めている動きである。

取得の組み合わせにも人が表れていた。スポットの詳細とモデルプランが一緒に取られている。AIを使って観光プランを組み立てている人がいる、と読める。英語版のスポット詳細が多く取られ、中国語・韓国語のページも取られていた。訪日前の旅行者が、AIで下調べをしていると読める。

これらの人は、サイトに一度も来ていない可能性がある。GAには何も残らない。それでも、AIの動きを通して、その人たちが何を必要としていたかは見えている。

AIアクセス分析は、AIを数える分析ではない。AIを介して、人を見る分析である。