コラム

GA4の数値がズレる?SafariやCDN環境で起こる計測トラブルと解決の方向性

作成者: 内海賢一|2025/08/26 0:58:00

「GA4を導入したのに、数値が正しく取れていない気がする」
「Safariでリピーターが全然カウントされていない」
「CDNを入れてから数字が不安定になった」

こんなお悩みを感じたことはありませんか?
実はこれらは、GAやタグマネージャーの不具合ではなく、サイトを取り巻く環境要因によって起きることが多いのです。

よくある計測トラブルの背景

1. SafariのITPによるCookie制限

AppleのSafariブラウザは、ユーザーのプライバシーを守るために ITP(Intelligent Tracking Prevention) という仕組みを採用しています。
この結果、従来のCookieは最短24時間〜数日で消されてしまい、リピーターを識別できなくなるケースが頻発します。
特にリピート購入が重要なECサイトでは、計測精度に大きな影響を与えます。

2. CDNのキャッシュ・最適化の影響

CloudflareやAWS CloudFrontなどのCDNを導入している場合、サイト速度の向上やセキュリティ強化の一方で、計測リクエストがキャッシュされる/JavaScriptが自動で書き換えられるといった副作用が発生することがあります。
これにより「GA4のリクエストが正しく送信されない」「広告計測用のパラメータが消える」といった不具合が起きやすくなります。

3. DNS権限がない/限定されている

GA4の計測を安定化させるには、自社ドメイン配下に専用ディレクトリ(最悪専用サブドメイン)を切るのが有効です。
しかし、DNSを外部ベンダーに任せきりにしていて編集できない場合、この対応が難しくなり、結果として対策の選択肢が制限されてしまいます。

解決の方向性(概要)

各サイトの環境によって取るべき解決策は変わりますが、代表的な方向性をまとめると以下の通りです。

  • Safari対策
    → 1st-party Cookieとして継続的に保持する。

  • CDN対策
    → GA4や広告計測用のリクエストをキャッシュや最適化の対象外に設定する。

  • DNS調整
    load.example.com のような計測用サブドメインを発行し、安定した計測基盤を構築する。

  • 同意管理との連携
    → CMP(同意管理プラットフォーム)やConsent Mode v2と組み合わせ、ユーザー同意を尊重しつつ不足分はモデリングで補完する。

重要なのは「御社の環境にとって何が最も適切かを見極める」ことです。
同じサイトでも、利用しているCDNやDNSの管理体制によって、最適解は変わってきます。

まとめ:まずは環境の棚卸しから

GA4の計測トラブルは、「タグを入れ直せば直る」といった単純なものではありません。
ブラウザ・CDN・DNSといった外部要因を考慮して、環境全体を設計することが必要です。

  • 「GA4の数値がずれている」

  • 「Safariユーザーの動きが取れていない」

  • 「広告の計測とGA4の数字がかけ離れている」

こうした課題に直面している方は、まずは現在の運用状況を整理し、どこでズレが生じているかを確認することから始めましょう。

私たちは、ヒアリングを通じて貴社の環境に合わせた最適な計測設計をご提案しています。
「うちの環境だとどうなる?」と気になった方は、ぜひお気軽にご相談ください。